エアモーターの速度調整・トルク調整の方法|圧力と流量で無段階に変える
エアモーターの回転数やトルクを用途に合わせて変えたいが、そのためには制御装置が必要なのでは、とお悩みではありませんか?
エアモーターは、圧力と流量を調整するだけで、回転数とトルクを無段階に変えられます。本記事では、圧力で変える方法と流量で変える方法の違い、調整するときの注意点を、実際の導入事例とあわせて解説します。
創業40年目を迎えるインガソールランド(ARO)の代理店である当社が、AROとインガソールランドのどちらのエアモーターにも共通する考え方としてまとめました。
エアモーターの回転数とトルクは、制御装置なしで変えられる?
変えられます。エアモーターは、供給するエアの圧力と流量を調整するだけで、回転数とトルクを無段階に変えられます。インバーターのような高価な制御装置は必要ありません。
調整の方法は、次の2つです。
・圧力で変える(減圧弁を使う):トルクと回転数の両方が変わる
・流量で変える(排気側に流量調整弁を使う):主に回転数が変わる
どちらを使うかは、変えたいのがトルクなのか、回転数なのかで決まります。それぞれの方法を、次の見出しで解説します。
圧力を変えると、何が変わる?
供給するエアの圧力を下げると、トルクと回転数の両方が下がります。圧力を上げると、両方が上がります。力の大きさを変えたいときは、この方法を使います。
調整には、モーターの手前に減圧弁(レギュレーター)を取り付けます。圧力を安定させるための設定は、使用環境によって異なります。
なお、カタログに載っている性能値は、決められた圧力で測ったものです。圧力を変えたときの性能の変わり方は、カタログの性能表をご確認ください。
流量を変えると、何が変わる?
回転数を中心に変えたいときは、排気側の流量を絞ります。排気側を絞ると、トルクよりも回転数が大きく下がります。
→ AROエアモーターが回らないときの原因と確認方法
調整には、流量調整弁(フローコントロールバルブ)を使います。
なお、給気側で流量を絞ると、圧力を下げたときと同じように、回転数もトルクも下がります。
使い分けの目安は、次のとおりです。
・力(トルク)の大きさを変えたい:圧力で調整する
・回転の速さを中心に変えたい:排気側の流量で調整する
調整するときに、気をつけることは?
注意したいのは、次の2点です。
・圧力を下げすぎない
圧力を大きく下げると、負荷がかかった状態での起動が不安定になります。圧力を大きく絞らないと使えないような仕様であれば、調整で合わせるよりも、最初から低回転・低出力のモデルを選ぶほうが確実です。
→ エアモーターの選び方 6ステップ
・正逆転モデルの排気口を塞がない
正転・逆転できるモデルでは、使っていない側の吸気口が排気口の役割をします。ここを塞ぐと、性能が出なくなる原因になります。切り替えに使うバルブや配管は、使用環境に合わせてご確認ください。
【導入事例】総合金属加工メーカー様/エアモーター 8209-A
客先から依頼された塗膜剥離設備の改造で、防爆環境に対応できる駆動源が必要でした。客先の納期と、現行設備に必要なトルクに合わせた機種を選ぶため、当社にご相談いただき、検討・設計のうえで導入されています。
お客様の声:
『ARO製のエアモーターは故障が少なく、部品一つから購入できる点はとても安心でした。導入後も減速比・トルクの大きさ共に満足しています。』
ご自身の条件で使えるか、確かめたい方へ
圧力や流量を変えたときの性能の変わり方は、モデルによって異なります。AROとインガソールランドのエアモーターのカタログでは、モデルごとの回転数・トルク・エア消費量の表と性能曲線を掲載しています。ご検討中の用途に合うモデルを、カタログでお確かめください。