AROエアモーターが回らないときの原因と確認方法
設備に組み込んだAROエアモーターが回らない、力が出ないとお悩みではありませんか?本記事では、エア圧・排気・給油・内部部品の順に、現場で確認できる原因から切り分ける手順を解説します。
AROはインガソールランドのブランドのため、インガソールランド製のエアモーターにも同じ手順が使えます。
インガソールランド代理店として、新品の販売と部品1個単位での供給、点検・修理を行うユニツールが、実務の視点でまとめました。
エアモーターが回らないとき、まずどこを確認すべき?
症状から疑うべき原因と、確認する場所をまとめました。上から順に、現場で確認しやすいものを並べています。
■負荷をかけると起動しない・不安定
原因:モーター入口のエア圧不足
確認:モーター手前の圧力
■力(トルク)が出ない
原因:給気圧の低下、給気量の制限
確認:レギュレーターの設定、配管の絞り
■回転数が大きく落ちる
原因:排気の詰まり・制限
確認:マフラー、排気口
■逆転モデルの動きが悪い
原因:反対側の排気口のふさがり
確認:方向切換弁と配管
■動きが渋い・錆がある
原因:給油不足、エアの水分やゴミ
確認:給油装置、フィルター、ドレン
■上記で改善しない
原因:内部部品の摩耗・破損
確認:分解点検が必要です
原因1:負荷をかけると起動しないのは、エア圧が足りていないから?
最初に確認すべきは、モーターの入口に届いているエア圧です。エアモーターは、供給される圧力が下がると、力(トルク)も回転数も落ちる性質があります。圧力が大きく不足すると性能がばらつき、負荷がかかった状態では起動が不安定になります。
注意したいのは、元圧の表示が十分でも、モーターの手前で圧力が下がっている場合があることです。配管の抵抗や絞りがあると、作動中のモーターには表示どおりの圧力が届きません。
【確認すること】
・モーターの手前に圧力計を付け、運転中の圧力を確認する
・レギュレーターの設定値が下がっていないか確認する
・細い配管や継手、半開きのバルブなど、途中の絞りがないか確認する
・エア量を絞る流量調整弁が、絞られすぎていないか確認する
原因2:回転数が大きく落ちるのは、排気が詰まっているから?
回転数だけが大きく落ちる場合は、排気側を疑います。エアモーターは、排気が詰まったり制限されたりすると、力(トルク)よりも回転数が大きく落ちる性質があります。給気側の圧力不足では力が大きく落ちるので、どちらが落ちているかで疑う場所を絞り込めます。
正逆転できるモデルでは、配管にも注意が必要です。正転と逆転で吸気口と排気口が入れ替わるため、回っている向きと反対側の口は排気口になり、大気に開放しておく必要があります。ここがふさがると、排気が詰まったときと同じ状態になります。
【確認すること】
・マフラーにゴミや油が詰まっていないか確認する
・排気口の先に配管をつないでいる場合は、その配管が細すぎないか、つぶれていないか確認する
・正逆転モデルでは、方向切換弁を通して反対側の口が大気に開放されているか確認する
原因3:動きが渋い・錆があるのは、給油やエアの質に問題があるから?
動きが渋い、内部に錆が見られる場合は、給油とエアの質を疑います。エアモーターは、清浄で乾燥したエアに、潤滑用のオイルミストを含ませて使うことが前提です。給油が不足すると、内部の摩耗や錆が進みやすくなります。エアに水分やゴミが混じっていても、同じように錆や作動不良の原因になります。
また、ギア部はグリスアップが必要です。回転部にはグリス供給用のグリスフィッティングが付いています。
【確認すること】
・給油装置(ルブリケーター)のオイルが切れていないか、滴下しているか確認する
・フィルターの汚れと、ドレン(溜まった水)が抜けているかを確認する
・ギア部のグリスアップが行われているか、整備記録を確認する
原因4:外側を確認しても直らないのは、内部の部品が傷んでいるから?
原因1〜3を確認しても改善しない場合は、モーター内部の部品の摩耗や破損が考えられます。内部の状態は外から見ても分からないため、分解して点検しないと原因を特定できません。
分解する場合は、必ずエアの供給を止め、内部の圧力を抜いてから作業してください。
社内で分解・点検する体制がない場合は、無理に分解せず、点検・修理を依頼するのも一つの方法です。
ユニツールに修理を依頼すると、どのくらいで戻ってくる?
ARO・インガソールランドのエアモーターの修理は、次の流れで進めています。
【修理の流れ】
- お預かり
- 分解・点検、お見積もりの発行(お預かりから1〜2週間程度)
- ご発注
- 修理・検査のうえご返却(ご発注から2〜3週間程度)
※交換部品の取り寄せが必要な場合は、取り寄せの期間が加わります。
分解・点検で原因を特定してから見積もりを出すため、交換が必要な部品だけを1個単位で手配できます。導入いただいたお客様からも「部品一つから購入できる点はとても安心でした」という声をいただいています(総合金属加工メーカー様)。
止められない設備でお使いの場合は、修理期間を見込んで、早めにご相談ください。
修理と新品への交換、どちらを選ぶべき?
判断の軸は、同じ機種をこのまま使い続けたいかどうかです。
【修理が向いているケース】
・今の機種の性能(回転数・トルク)に満足している
・取り付けや配管を変えずに、元の状態に戻したい
・傷んでいる部品を交換すれば直る見込みがある
【新品への交換を検討したいケース】
・使い方が変わり、今の機種では回転数やトルクが合わなくなった
・同じ症状を繰り返しており、機種の選び直しも含めて見直したい
どちらが適しているかは、分解・点検の結果を見てご提案できます。新品に交換する場合も、今お使いの機種のメーカー名と型式が分かれば、用途に合う機種を無料で選定します。
原因が分からない・自分で直せないときは、ご相談ください
本記事の確認で原因が絞り込めない場合でも、ご安心ください。適正なエア圧や配管の状態は、お使いの設備や条件によって変わります。ユニツールでは、使用条件をお伺いしたうえで原因を調べ、修理・部品交換・新品への置き換えのうち、最適な方法をご提案します。ご相談は無料で、しつこい営業はいたしません。
お使いの機種の型式と症状をお知らせください。
[エアモーターの点検・修理を相談する]