【現場で使える】ダイヤフラムポンプのリークテスト方法と注意点

こんなお悩みはありませんか?
- ダイヤフラムポンプのリークチェックをどうやってすればいいのか、実はよくわかっていない
- 「とりあえず動いたから大丈夫だろう」として、細かい確認を後回しにしてしまっている
- 調子が悪くなって初めて、「あのときチェックしておけばよかった」と後悔した経験がある
動いてはいるけれど、本当に問題がないのか判断しきれないという不安は一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
この記事ではリークテストの方法をお伝えします。 また、水を使えない現場での代替手法や避けた方が良い確認方法も解説します。
目次
- ダイヤフラムポンプの構造と漏れやすい部位
2.1 サイドキャップ(ダイヤフラムカバー)
2.2 上下マニホールド(吸入・吐出ポート部)
2.3 ダイヤフラム - リークテストの方法
- 水が使えない現場での代替リークテスト法
- お勧めできないリークテスト
- 「これで大丈夫?」と思ったら今すぐチェックを
ダイヤフラムポンプの構造と漏れやすい部位
ダイヤフラムポンプはエアーを動力源にして、ダイヤフラムの往復運動によって液体を吸い上げ、押し出す仕組みになっています。 シンプルに見えて、構造にはいくつかのポイントがあり正しく組み立てないと液漏れにつながることがあります。
では、実際にどこが漏れやすいのか、ご存じでしょうか?
特にチェックしておきたいのが次の3箇所です。
サイドキャップ(ダイヤフラムカバー)
ポンプの側面にあるこのカバーは、内部のダイヤフラムを支える重要なパーツです。 締め付けトルクが弱かったりすると、搬送液がにじむように漏れてくることがあります。
上下マニホールド(吸入・吐出ポート部)
吸い込み口と吐き出し口を構成する部品です。 ここはポンプの配管とつながる部分なので、Oリングやガスケットのズレや締め付け不良によって液体漏れが起こりやすくなります。 特に再組み立て直後は、配管・ホースによって、ポンプ(マニホールド)に負荷(荷重)がかからないように注意が必要です。
ダイヤフラム
ポンプの心臓部ともいえるダイヤフラムは、往復運動によって液体を移送しています。 このパーツの損傷や劣化、ナットの緩みなどがあると、エアー側に液体が流れ込み、排気口(エキゾースト)から液体が出てくることがあります。 目に見えづらい異常が多いので、違和感を感じたら早めの確認が大切です。
リークテストの方法
リーク確認で確実なのは、水などの液体を使い、実際にポンプを動かして目視でチェックする方法です。
やり方は次のとおりです。
- エアーを規定圧で供給し、ポンプを稼働させる
- サイドキャップ(ダイヤフラムカバー)や上下マニホールドからの漏れを目視で確認
- 吐出側のホースをバルブで絞るか、指で一時的に塞ぐ
この操作でサイクル速度が落ちて吐出圧が上がるため、液漏れが見つけやすくなります
この状態で漏れがなければ、基本的な組み付け状態としては問題ないと判断できます。
ただし、排気口(エキゾースト)から水が吹き出すような場合は、注意が必要です。 ダイヤフラムが破れていたり、ナットの締め付けが不十分な可能性があります。 また、結露との見分けがつきにくいこともあるため、量や頻度もあわせて確認してください。
水が使えない現場での代替リークテスト法
現場によっては、テストに水を使えないケースもあります。
そのような場合は、空運転しつつ石鹸水やリークチェックスプレーを使った方法が有効です。
やり方は以下のとおりです。
- ポンプを空運転しながら、サイドキャップやマニホールドの接合部分に石鹸水を塗布する
- 吐出側の配管を軽く閉塞(バルブを少し締めるか指で塞ぐ)
- 漏れている箇所があれば、泡が立つことで確認できます。
市販のリークチェックスプレーを使えばより簡単です。
ただしこの方法は、水を使うテストに比べると精度はやや落ちます。目視できる範囲をしっかり確認し、必要に応じて再確認するようにしてください。
お勧めできないリークテスト
接液部(流体側)の配管に、外部からエアーなどで加圧してテストする方法はおすすめできません。
このような方法を取ると、ダイヤフラムやバルブ類に想定外の力がかかり、破損や劣化の原因になります。
漏れがないかどうかは、通常運転の状態で確認するのが望ましいです。
「これで大丈夫?」と思ったら今すぐチェックを
本記事でご紹介したリークテストの内容は、さまざまなメーカーのダイヤフラムポンプに応用できるものです。
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