使用済み薬液を捨てない工場へ|半導体の薬液リサイクル・排液移送をダイヤフラムポンプで支える
半導体製造では、洗浄やエッチングで大量の薬液を使います。その薬液を「使って終わり」にせず、回収して再利用する——資源循環や廃棄物削減の観点から、こうした取り組みを進める工場が増えています。原材料コストの抑制にもつながるため、環境対応とコスト削減を同時に狙える領域です。
ただし、薬液のリサイクルや排液の移送は、通常の送液より一段難しくなります。この記事では、薬液リサイクル・排液移送の難しさと、そこでエアダイヤフラムポンプ(空気作動式・AODD)が果たす役割を整理します。
リサイクル・排液移送が難しい理由
腐食性
酸・アルカリを含み、金属を侵しやすい。
固形分・不純物
工程を経た液には、微粒子や不純物が混じることがある。
液面の変動
回収槽・サンプ・ドレンでは液面が上下し、空運転になりやすい。
漏洩リスク
漏れれば環境負荷や安全の問題になり、リサイクルの意義そのものを損なう。
つまり、「腐食性・固形分・液面変動・漏洩リスク」を同時に抱えた流体を、止めずに安全に送る必要があるということです。
なぜダイヤフラムポンプが向くのか
シールレス設計で漏れにくい
ダイヤフラムが液体と駆動部を分けるため、漏れのリスクが低く、環境負荷や汚染を抑えられます。
耐薬品材質を選べる
接液部をPTFEやPVDF、ステンレスなどから選べるため、腐食性の回収液にも材質で合わせられます。
ドライラン耐性と自吸
液が無い状態で運転しても損傷しにくく、自吸能力も高いため、液面が変動するサンプ・ドレン・回収槽に向きます。
固形分を通せる
流路が広く、不純物・微粒子を含む液も送りやすい。
「漏らさない・止まらない・素材を選べる」というダイヤフラムポンプの性格が、そのままリサイクル・排液移送の要件に噛み合います。
AROダイヤフラムポンプの活用事例
半導体分野では、次のような資源循環・排液の取り組みでダイヤフラムポンプが活用されています。
薬液リサイクルプロセスの改善
資源循環・廃棄物削減を目的に、耐薬品性・耐久性を考慮した設備とダイヤフラムポンプを組み合わせ、薬液の回収・再利用プロセスを構築。
プロセスの見直しと適切な機器選定により、化学反応に要する時間の短縮とシステム全体の処理能力向上につながり、使用済み薬液のリサイクル工程にも適用して資源回収を進めた例があります。
薬液移送(サンプ・ドレン用途)
薬液供給設備において、サンプ・ドレン用途の薬液移送に活用されています。
導入で目指せること
資源回収・廃棄物削減
使用済み薬液を再利用に回し、廃液量を減らす。
原材料コストの抑制
薬液の再利用は、そのまま購入量の削減につながる。
安定した移送
漏れにくく止まりにくい移送で、リサイクル工程そのものを安定させる。
環境対応が「コスト増」ではなく「コスト削減と両立できる」形にできるかは、移送を担うポンプの選び方に左右されます。
まず、回収する流体の条件を整理する
最適なポンプは、回収する流体の性状で決まります。流体名・濃度・温度・固形分の有無・必要流量・液面の変動幅を整理しておくと、選定がスムーズです。
カタログ値だけで決めきれないときは、実際の回収液でデモ機を動かして確かめるのが確実です。
※記載の活用例や性能は、特定の条件下でのものです。すべての環境で同じ結果を保証するものではないため、導入前には必ず担当者へご相談ください。