シーラントを圧送するポンプの選び方|粘度・流量から絞る
粘度の高いシーラントを、安定して送りたい。
カタログを並べてみたものの、どれが合うのか決めきれない。
そんな方に向けた記事です。
この記事では、シーラントを圧送するポンプを、粘度と流量から絞り込む手順をご説明します。
最後は使用環境を見て決めることになるため、そのとき何を確かめればよいかも、あわせてお伝えします。
当社はAROの流体機器を約40年扱ってきました。
営業がご相談のときに実際に使う確認項目をもとに、まとめています。
塗布機と供給ポンプは何が違う?
シーラントを塗る作業には、材料を送る「供給」と、決まった場所に出す「分注(塗布)」の2つの役割があります。
この記事で扱うのは、材料を送る供給ポンプです。
メーカーの資料では、AROのピストンポンプは「流体供給システム」として紹介されています。
ペール缶用・ドラム缶用のパッケージに、自動または手動の分注ガンを組み合わせ、安定した連続供給を行う構成です。
缶の中では、フォロワープレートという部品が材料をポンプへ送り込みます。
シーラントの圧送ポンプは、どの順番で選べばいい?
まず粘度と流量でポンプのタイプを絞り、次に必要な圧力を確かめます。
・粘度と流量 … 材料の硬さと、1分あたりに送りたい量で、3つのタイプのどれが合うかが絞れます
・必要な圧力 … 塗布機やガンの先で、どれだけの圧力が要るかを確かめます
メーカーの資料でも、選ぶときは流体の種類、粘度、流量、圧力の4つを考えるよう書かれています。
粘度と流量で、どのタイプを選べばいい?
シーラントのような粘度の高い材料には、チョップチェックポンプを第一に検討します。
メーカーの資料では、3つのタイプは次のように分かれています。
【2ボールポンプ】
粘度:100,000cP程度まで
流量:最大で毎分68.6リットル
特徴:3タイプの中で最も汎用性が高い
【4ボールポンプ】
粘度:12,500cP程度まで
流量:最大で毎分124.0リットル
特徴:低粘度の材料を大量に送る
【チョップチェックポンプ】
粘度:15,000〜1,000,000cP超
流量:最大で毎分46.3リットル
特徴:シーラント、シリコーン、コーキング材など、非常に粘度の高い材料向け
※流量は用途によって変わります。ARO「AFXピストンポンプとパッケージ製品」(Ingersoll Rand、2014年)より
15,000〜100,000cPのあいだは、2ボールとチョップチェックの両方が候補になります。
ここは、流量や使用環境をうかがって決めます。
粘度の数値が分からなければ、「シリコーンシーラント」のような材料名だけでも構いません。
AROピストンポンプ活用事例
シーラントや接着剤の分野では、AROのピストンポンプが次のような工程で使われています。
【太陽光パネル】
用途:モジュールの外側や接続ボックスへの分注、接続ボックスの密封
構成:5ガロン缶用・55ガロンドラム用のピストンポンプパッケージ(圧力比43:1〜65:1)に、自動分注システムを組み合わせ
【自動車部品】
用途:機械部品・電気部品への分注
構成:圧力比43:1〜65:1のパッケージに、自動分注システムや手動の分注システムを組み合わせ
【白物家電・電子機器】
用途:機械部品・電気部品、電子部品への分注
構成:圧力比23:1〜46:1のパッケージ
このほか、風力発電、家具製造、LED照明などでも使われています。
AROピストンポンプの相談は、何が分かっていればできる?
分かっていることだけで構いません。
項目に起こすと、次のようなことです。
・新規購入か、今のポンプの置き換えか
・置き換えの場合は、今のポンプのメーカーと型式
・流体の名称
・流体の粘度
・必要な流量
・スラリーの有無
・腐食性の有無
・流体の温度
・運転時間(連続運転か、断続運転か)
・希望の納期と台数
・比較しているメーカーや機種
必要な圧力が分かっている場合は、あわせてお知らせください。
今お使いのポンプがあれば、供給しているエア圧と吐出圧から、およその圧力比が分かります。
まとめ
・シーラントを送る作業には、材料を送る「供給」と、決まった場所に出す「分注」の2つの役割があります
・AROピストンポンプは、まず粘度と流量でタイプを絞り、次に必要な圧力を確かめます
・シーラントのような粘度の高い材料には、チョップチェックポンプを第一に検討します
・15,000〜100,000cPのあいだは、使用環境をうかがって決めます
・相談は、分かっていることだけで構いません
この記事で挙げた項目のうち、分かるものだけをお問い合わせフォームにご記入ください。
3営業日以内に担当者からお返事します。