AROピストンポンプの補修部品・修理キット|1個から手配できます
ポンプの吐出量が落ちてきた
原因はおそらく消耗部品だと見当はついている。それでも、部品だけを手配しようとすると話が進まない。
当社のピストンポンプのページにも実際にいただくご相談として「部品・修理キットだけほしい」を挙げています。
AROピストンポンプは、消耗部品を1個単位で手配できます。 キットでまとめて交換することも、傷んでいる1点だけを替えることもできます。
この記事では、どこが消耗するのか、部品を特定するために何が必要か、そしてキットと単品のどちらを選べばよいかをご説明します。
「部品だけほしい」が通らない、という状況
- 症状は分かっている。交換すべき部品も見当がついている。それでも型番が特定できず、発注に進めない
- 設備が古く、当時の資料が社内に残っていない
- 修理に出したら数か月かかると言われ、その間ラインをどうするか決まらない
ポンプそのものより、部品が手に入るかどうかのほうが、実務では重くのしかかります。
設備は数十年使われることが珍しくなく、そのあいだ部品を供給し続けられるかは、購入時点では見えない部分だからです。
AROは、この点で長く流通してきたブランドです。当社も創業から40年、AROの流体機器を扱ってきました。「今動いているポンプを、部品交換で使い続ける」というご相談は、日常的にお受けしています。
ピストンポンプで消耗する部分
エア駆動のピストンポンプは、大きく分けて「エアモーター側」と「ロアポンプ側(材料に触れる側)」で構成されています。消耗するのは、主に次の部分です。
※あくまで一例です。
パッキン(上部・下部)
プランジャーの動きに合わせて摺動し、材料が外へ漏れないようにシールしている部分です。ピストンポンプで最も交換頻度が高い部品です。
- 材料が滲む、垂れる
- 圧力が上がらない
- ストロークのたびに音が変わる
こうした症状が出てきたときは、まずパッキンを疑うことになります。溶剤や薬品を扱っている場合は、材質との相性で膨潤や硬化が進むこともあります。
チェックバルブのボールとシート
ピストンポンプは、吸込側と吐出側のチェックバルブ(逆止弁)が交互に開閉することで、材料を一方向へ送り出しています。
このボールとシートに傷が付いたり、材料が固着したりすると、送ったはずの材料が戻ってしまい、吐出量が落ちます。 研磨性のある材料や、固まりやすい材料を扱っている場合は、摩耗と固着の両方が進みます。
「吐出量が落ちた」というご相談で、清掃または交換で回復する例が多いのがこの部分です。
プランジャー
材料を押し出す軸そのものです。表面に傷が付くと、パッキンを傷める原因にもなります。パッキンを交換してもすぐに漏れが再発する場合は、プランジャー側も確認が必要です。
AROピストンポンプのプランジャー材質は、タイプによって次のように分かれています。
- 2-ボールポンプ … カーボンスチール、15-5ステンレス、17-4ステンレス、316ステンレス、321ステンレス、440ステンレス
- 4-ボールポンプ … 17-4ステンレス
- チョップ-チェックポンプ … カーボンスチール、17-4ステンレス
同じ型番でも材質違いの設定があるため、部品を手配するときは材質まで確認します。
エアモーター側
圧縮空気でピストンを往復させている部分です。エアの切り替えが正常に行われなくなると、途中で止まる、往復のリズムが乱れる、といった症状が出ます。
工場エアの水分やオイルミストの影響を受ける部分でもあるため、エア供給側のフィルターやレギュレータの状態もあわせて確認しておくと、原因の切り分けが早くなります。
症状から当たりをつける
現場で最初に見ていただきたい点を挙げます。ただし、同じ症状でも原因が複数あり得ます。
最終的には現物の確認が必要になることを、あらかじめお断りしておきます。
吐出量が落ちた・圧力が上がらない
- チェックバルブのボール/シートの摩耗、固着
- パッキンの摩耗
- 供給エア圧の低下、元圧の変動
- 配管側の詰まり、フィルターの目詰まり
材料が漏れる・滲む
- パッキンの摩耗、材質と流体の相性
- プランジャーの傷
動きが止まる・往復が乱れる
- エアモーター側の不具合
- 材料側の固着
- 材料の切れ(缶が空になっている)
現場では「ポンプの不調はたいてい空気が原因」と言われます。
実際、材料の切れやエア噛みが原因で、部品はまだ使えるという例もあります。 部品を手配する前に、供給側を一度確認していただくと、無駄な交換を避けられることがあります。
修理キットについて
AROピストンポンプには、消耗部品をまとめた修理キットが用意されています。カタログの性能表には、機種ごとに対応する修理キットの番号が記載されています。
キットで交換する場合と、単品で交換する場合の考え方は次のとおりです。
修理キットでまとめて交換する
- 分解する回数を1回で済ませられます
- 同時期に取り付けた部品を同時に更新するため、次の交換時期が揃います
- 分解してから「この部品も必要だった」と気づいて止まる、という事態を避けられます
必要な1点だけを交換する
- 傷んでいる箇所が明確な場合は、こちらのほうが早く安く済みます
- 予備として持っている部品を使い、キットは後で補充する、という運用もできます
分解する手間が大きい場合はキット、原因が特定できていて急ぐ場合は単品。
これが実務的な使い分けになります。当社ではどちらの形でも手配できますので、状況に合わせてお選びください。
部品を特定するために必要な情報
お問い合わせいただく際、次の情報があるとその場で絞り込めます。
- 本体の型番 … 銘板に記載されています。これが分かれば最短です
- タイプ … 2-ボール、4-ボール、チョップ-チェックのいずれか
- 接液部の材質 … ロアポンプとプランジャーの材質。分からなければ「ステンレス」「鉄」程度でも構いません
- 使用している流体と症状 … 材料名と、いつからどうなったか
- 使用年数と稼働状況 … 何年使っているか、連続運転か間欠運転か
すべてが揃っていなくても構いません。銘板の写真を1枚お送りいただくだけで、特定できる場合が多くあります。
オーバーホールという選択肢
部品交換だけでなく、ポンプ本体をお預かりして分解・整備を行うオーバーホールも承っています。
- 消耗部品を一括で更新できます
- 分解しないと分からない箇所まで確認できます
- 整備後の機体を予備品として保管し、次の不調時に載せ替えるという運用もできます
なお、部品の在庫状況によっては納期をいただく場合があります。急ぎの場合は、その旨をお伝えください。代替できる部品や、先に手配できるものがないかをお調べします。
導入時に控えておきたいこと
これから導入される場合、あるいは今動いているポンプについて、次の2点を社内に残しておかれることをおすすめします。
① 本体型番と修理キット番号をセットで台帳に残す
カタログの性能表には、機種ごとの修理キット番号が併記されています。導入時にこの2つを控えておくだけで、数年後の手配が一度の連絡で済みます。 担当者が替わったときにも効いてきます。
② 消耗部品を1セット持っておくかを判断する
予備品を持つかどうかは、止まったときの影響で決まります。
- ラインが止まると生産計画に影響が出る設備か
- 代替機や迂回運転ができるか
- 通常の手配でどれくらいかかるか
予備品の購入は、動いているうちは後回しになりがちです。 ただ、止まってから手配を始めると、部品の特定から始めることになります。導入のタイミングで一緒にご相談いただくのが、結果として一番負担が少なくなります。
まとめ
- AROピストンポンプの消耗部品は、1個単位で手配できます
- 交換頻度が高いのは、パッキン、チェックバルブのボールとシート、プランジャー
- 修理キットでまとめるか、単品で替えるかは、分解の手間と急ぎ具合で選びます
- 部品の特定には本体型番が最短。銘板の写真1枚でも構いません
- オーバーホールという選択肢もあります
- 導入時に型番と修理キット番号を台帳に残しておくと、数年後が楽になります
当社は創業から40年、AROの流体機器の製品導入、部品調達、修理のサポートを行ってまいりました。
「部品だけ」「1個だけ」というご相談で構いません。 型番が分からない状態からでも、お調べします。