固着ボルトが外れないときのインパクトレンチ選び|作業時間を減らす3つの条件
長年交換されていなかった設備のボルトが錆びついて、どうしても回らない。
手持ちのインパクトレンチを当てても動かず、結局は人手と時間をかけて外すことになる。
工場の設備保全や整備の現場では、こうした固着ボルトの作業が、作業の予定を大きく狂わせることが少なくありません。
この記事では、固着ボルトにかかる作業時間を減らすために、インパクトレンチ選びで押さえておきたい3つの条件を、実際のお客様の事例とあわせてご紹介します。
弊社は40年にわたり、インガソールランドのエアツールの販売に加え、修理や部品のご相談の窓口を担ってまいりました。その中で見てきたお客様の事例をもとに、まとめています。
時間がかかる理由直す
固着ボルトの作業時間は、どこで膨らむのか 結論から申し上げますと、固着ボルトの作業時間が膨らむ原因は、大きく分けて二つあります。
一つは「ボルトが外れない時間」、もう一つは「工具が壊れて作業が止まる時間」です。 一つ目の外れない時間は、工具の力が固着に負けているときに生まれます。
インパクトレンチを当てても回らなければ、潤滑剤を吹いて待つ、バーナーで温める、長いレンチで人の力をかけるといった別の方法に切り替えることになり、そのたびに時間と人手がかかります。
二つ目の止まる時間は、見落とされがちです。固着ボルトの作業は工具に大きな負荷がかかるため、作業中に工具が故障すると、代わりの工具を用意するまで作業そのものが止まってしまいます。
作業時間を減らすには、固着に負けない力があることと、過酷な作業でも壊れにくく、壊れても直して使い続けられることの両方を満たす工具を選ぶことが近道になります。
次の章から、そのための3つの条件を順にご説明します。
条件1:固着に負けない力と軽さ直す
固着に負けない力と、長時間でも疲れにくい軽さ 一つ目の条件は、固着に負けない力があり、しかも作業者が長時間扱える重さに収まっていることです。
カタログを見るときは、トルクの数字と本体の重さを、必ずセットで確認されることをおすすめします。
錆びついたボルトは、締め付けたときよりも大きな力をかけなければ回らない場合があります。
そのため、カタログに記載されている最大トルクの数字を目安にされると、固着ボルトへの強さを比べやすくなります。
なお、トルクの表記や測定時の条件はメーカーによって異なりますので、同じ項目どうしで比べることが大切です。
一方で、力のある工具ほど大きく重くなりやすく、重い工具を何本ものボルトに当て続けると、作業者の負担が積み重なり、結果として作業のペースが落ちてしまいます。
たとえば差込角1/2インチのエアインパクトレンチでも、最大トルクが1,200Nmを超えながら、重さは2kg台に収まっている機種があります。
力と軽さを両立した工具を選ぶことが、外れない時間と作業者の疲れを同時に減らす近道です。
条件2:力を出し切るエア設備直す
工具の力を出し切れるエア設備がそろっていること 二つ目の条件は、工具そのものではなく、工具に空気を送る設備の側にあります。
エアインパクトレンチは、機種ごとに必要な空気量やホースの太さが決まっており、コンプレッサーの能力やホースの太さが足りないと、カタログどおりの力を出し切ることができません。
必要な空気量やホースの内径は、機種によって異なり、各メーカーのカタログに記載されています。
たとえば弊社で取り扱っている機種のひとつでは、空気消費量が毎分170リットル、推奨ホース内径が10mmとされています。
導入を検討される際は、候補の機種のカタログと、お使いのコンプレッサーの吐出空気量、現場で使っているホースの内径を、あらかじめ照らし合わせておかれることをおすすめします。
また、力の強い工具に替えても思うように外れない場合は、工具だけでなく、空気の量やホースの太さが足りているかも、あわせて確認されるとよいと思います。
どの程度影響するかは、機種や設備の状況によって変わります。 なお、エア式はホースを引き回す必要があるため、取り回しの良さや屋外への持ち出しやすさでは、充電式のインパクトレンチに及びません。
一方で、エアの設備が整った工場や整備場の中で、固着ボルトのような重い作業を繰り返す場面では、エア式の力が生きてきます。
条件3:壊れにくく、壊れても直せること直す
壊れにくく、壊れても直して使い続けられること 三つ目の条件は、過酷な作業でも壊れにくいこと、そして万が一壊れたときにも、修理をして使い続けられることです。
固着ボルトの作業は工具に大きな負荷がかかるため、ここが弱いと、冒頭でお伝えした「工具が壊れて作業が止まる時間」が生まれてしまいます。
ただし、工具の壊れにくさは、ボルトの大きさや作業の頻度、現場の環境といった使い方によって大きく変わります。そのため、カタログの情報だけで判断するのは難しい面があります。
導入を検討される際は、実際の使用環境や用途を伝えたうえで、機種選びを相談できる購入先を選ばれることをおすすめします。
また、どれほど丈夫な工具でも、長く使えば点検や修理が必要になります。
特に海外メーカーの工具を検討される場合は、壊れたときに国内で修理を受けられるか、必要な部品を取り寄せられるかを、購入前に確認しておかれると安心です。
弊社では、インガソールランドのエアツールについて点検や修理、オーバーホール等のご依頼を承っております。
部品の販売も1個から承っております。購入先を選ぶ際には、工具の性能だけでなく、こうした購入後の対応も比べていただくと、長い目で見た作業の止まりにくさが変わってきます。
現場の事例直す
お工具を見直したことで、現場はどう変わったか ここまでご紹介した条件が、実際の現場でどのように効いたのか。弊社のお客様の事例を二つご紹介します。
事例1
錆びついて抜けなかったボルトが、スムーズに抜けるようになった(産業機械の製造・販売会社様)
こちらのお客様の現場では、長年交換をしていなかったボルトが錆びついて回らなくなり、クレーンでボルトを吊り上げながら抜き取る作業が必要になっていました。
従業員の方が力の強いインパクトレンチを探しておられましたが、他社で見積もりを取ったところ、非常に高額で納期も遅く、一度は導入を諦めかけていたそうです。
その後、弊社でお見積もりをさせていただき、対応の速さと金額、納期の面でご納得いただいて、インガソールランドのインパクトレンチを導入されました。
導入後は、他のインパクトレンチでは対応できなかった厳しい現場でもボルトをスムーズに抜けるようになり、「作業者の負担が軽減され、工数とコストの削減につながった」とのお声をいただいています。
事例2
落として不調になった工具を、修理とオーバーホールで使い続けている(個人のお客様)
車やバイクの部品の脱着にインガソール・ランドのエアインパクトレンチ(2135TiMAX)をお使いのお客様の事例です。
エクステンションバーを付けたまま、バーだけを持って本体を持ち上げたところ、バーが抜けて本体を落としてしまいました。
お近くでインガソール・ランドの取り扱い店が見つからず、ご自宅から一番近かった弊社に、修理とオーバーホールのご依頼をいただきました。
オーバーホール後は「パワーが上がったかと思うくらい調子が良い」とのお声をいただいています。
二つの事例からいえるのは、固着ボルトの作業時間を減らすには、固着に負けない力のある工具を選ぶことと、万が一のときに直して使い続けられる体制を持っておくことの両方が大切だということです。
工具を入れ替える際には、性能と購入後の対応を、あわせて検討されることをおすすめします。
ご自社のエア設備で力が出るか、デモ機でお試しいただけます 固着ボルトの作業時間を減らすための3つの条件をご紹介しましたが、実際に導入を考えられたとき、最も気になるのは「自社のコンプレッサーとホースで、本当に力が出るのか」という点ではないでしょうか。
弊社では、インガソールランドのエアインパクトレンチ「2235QTiMAX」のデモ機をお貸し出ししております。
差込角1/2インチで最大トルク1,220Nm、重さ2.1kgの機種です。
ご購入の前に、普段お使いのエア設備につないで、力の出方や手へのなじみ具合を現場で確かめていただけます。
デモ機の貸し出しは、全国から承っております。
また、お使いのエア設備の状況やボルトの大きさ、作業の頻度、使用環境をお伺いしたうえでの機種選びのご相談、カタログのご提供、ご購入後の点検や修理、オーバーホール、部品1個からのご注文まで、弊社が窓口となって承っております。
デモ機の貸し出し条件やお見積もりについては、下記よりお気軽にお問い合わせください。